オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

12のネガティブ感情への対処法➁ ニュース鬱による無力感にはテーマを絞る

人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。

今回は「ニュース鬱による無力感」です。
最近、世界の各地で起こる戦争や、日本政治の混迷、物価上昇や、各地で起こる災害、事故。ネットやテレビには気が滅入る、不安感を増加させるニュースが溢れています。そして、将来のリスクに備えようとする人間の脳は、ネガティブな情報を積極的に集めてしまいます。暗いニュースばかり見聞きして、ニュース鬱の状態になってしまいます。

日本や世界で起こっている様々な出来事に関心を持ち、苦しんでいる人達の気持ちを思いやり感情移入することは大切にしたい人間性です。が、ニュースの中に住んでいるように情報ばかり集め続けることは問題です。ただでさえネガティブな情報を収集しやすい人間の脳に、ますますネガティブな情報を増幅させてしまいます。

世界や日本で大変なことが起きているのに、自分には何もできない。自分の周りはどんどん悪くなって争いばかりの世界になっているけれど、自分にはどうしようもない。
そういった無力感と、この先どうなってしまうのだろうと漠然とした不安感にさいなませることがあります。
そのようなネガティブな感情に対しては、ネガティブなニュースに触れないようにする事が一番ですが、現実的にそれは不可能だと思うので、次の2つを実行してみましょう。

自分が関心を持つテーマを一つに絞る

私達は世界や日本の全ての出来事に注意を向けていたら脳がパンクしてしまいます。世界で起こるすべての出来事を心配することはできません。情報を集めるテーマを一つに絞りましょう。例えば「地球温暖化」、「ウクライナ情勢」「アメリカ政治」「プラスチックごみ問題」など、ネガティブなトピックの中から、一つだけ自分が知っていこうというテーマを選びます。そのテーマについては、テレビやネットでニュースを見聞きしたりしてもよい、心配してもよい、いろいろ考えてもよいと自分に許可します。
一方、その他のネガティブなニュースについては、自分から積極的には触れないようにします。ネットで検索などしないようにします。
それだけでも、自分に吸収されるネガティブな情報の量は大きく減らすことができます。

自分の近くにいる人々に親切にする

遠い世界で苦しんでいる人々に対し、私達が今すぐその苦しみをなくすためにできることは、現実的にはあまりありません。寄付や募金ができるくれいでしょう。だからといって無力感を感じなくともよいのです。遠い世界の誰かではなく、自分の身近にいる人々に対して親切な行動を取ってみましょう。家族のために食事を作る、あるいは後片付けをする、困っている同僚のために仕事の手伝いを申し出る、バスの乗り降りに苦労している人を助けてあげる、カフェで店員さんに注文時笑顔でありがとうと言う。小さな行動で構いませんので、まずは自分の近くにいる人に親切に、優しく接してみましょう

あなたに親切にしてもらった人は、きっと感謝と優しい気持ちに満たされるでしょう。そして、あなたも、誰かのために何かをできる自分を再認識することでしょう。
遠い世界の人々の苦しみを慮ることも大切ですが、まずは、身近な人達に親切な行動を取ってみましょう。その小さな親切な輪を広げていくことが、争いをなくす一歩なのです。

※Oliver Burkeman著『Meditation for Mortals:
Four Weeks to Embrace Your Limitation and Make Time for What Counts』を参考にしています。

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