人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。
ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。今回は自分に対する「無能感」です。
自分は何にもできていない。
やろうと思っていたことができなかった。
今日もやるべき仕事が終わらなかった。
何にも達成していない。
目標に近づけていない。
自分ってだめな人間だ・・・と感じる。
それが「無能感」です。
自分に対して厳しい人、目標や理想が高い人に、特に無能感は生まれがちです。
しかし、実際には、結構たくさんのことを成し遂げている人が多いのです。
そういう場合は、Done List(ダン・リスト)を作ってみましょう。
To Do Listを作って、日々のやるべきことを管理している人もいると思いますが、Done Listは「やったこと」のリストです。
今日一日自分がやったこと、成し遂げたことを書き出してみましょう。意外といっぱいあるはずです。
その際には「こんなこと・・・」と思わずに、自分がその日にやったことを書き出していきましょう。
- 寝坊せず目覚まし時計が鳴ったらすぐ起きた
- 家族のために朝食を作った
- お弁当も作った
- 朝ゴミ出しをした
- 会社で会議で自分の意見を述べた
- 同僚が大量の資料をコピーするのを手伝った
- 今週末締め切りの費用精算を二日早く終わらせた
- 出来合いの物ではなく、家族のために夕食を作った
- 子供に本を読んであげた
- 今日は子供を叱らないですんだ
- 夫が帰ってくる前に家の中に掃除機をかけた
- 夫が帰宅した時に笑顔でおかえりなさいと言えた
- 明日の出勤用の服を用意した
何も大きなイベントが起こらないような日でも、自分は実はこれほどたくさんの仕事を成し遂げているのです。
全然、無能なんかではないのです。
もし第三者がこれだけのことを一日に成し遂げていたら、あなたはきっと「よくやったよ」「大変だったでしょう、頑張ったよ」と声をかけるのではないでしょうか。
特別に大きなタスクを終わらせなかったとしても、日々小さな、けれど一日を構成する上で大切なタスクを、あなたはきちんと成し遂げているのです。
それを目で確認するために、Done Listを書き出して、自分がいかに様々な事を成し遂げているかをしっかりみつめましょう。
無能とはほど遠い毎日をあなたは過ごしているのです。
※Oliver Burkeman著『Meditation for Mortals:
Four Weeks to Embrace Your Limitation and Make Time for What Counts』を参考にしています。