人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。
ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。今回は「混迷感」です。
問題が大きすぎて、どこから手をつけたらいいかわからない。
いろいろな悩みが重なって、どうしたらいいかわからない。
状況が深刻で、どうすれば解決できるかわからない。
そう感じる時には、自分が深い森の中に一人取り残されてような気持ちになる、あるいは深い穴の底に落ちて地面の上に這いあがれない。そんな風に考えがちでしょう。
自分がこの先どうしらたいいかよくわからない、でも気持ちは焦るし、不安で一杯だし、おたおたとしている。そういう混迷感で気持ちが一杯な時には、自分にコントロールできることと、コントロールできないことの2つに物事を分けましょう。
- 自分が悩んでいること、困っていること、心配なことを文字に書き出します。
- そのうち、自分にコントロールできる事と、自分にはコントロールできない事を色分けします。
- 自分にコントロール不可能な事を悩んでも仕方ないのです。自分にはどうにもできないです。
- 自分にコントロールできる事だけに、注意を向けましょう。
たとえば
- 地震が起きたらどうしよう。
- 新しい上司が嫌な人だったらどうしよう。
- 子供が大学受験に失敗したらどうしよう。
これらは自分にコントロールできません。たとえ自分の子供であっても、その子供になり代わって受験や勉強ができるわけではありません。
一方、
- メタボになったらどうしよう。
- 昇進に必要な資格試験に受からなかったどうしよう。
- 子供が野菜を食べなくてどうしよう。
これらは、自分がコントロールできる事になります。メタボにならないために運動を始める、資格試験の勉強の計画を立てる、子供が野菜を無理なく食べるような料理を試す、など、自分にできる事がある部分に集中します。
また、自分にコントロールできない事の中にも、実は少しだけコントロール可能なセミ・コントロールできる事もあります。
地震が起きるか起きないかはコントロールできませんが、地震が来て被害を受けるのが怖いわけですから、家の耐震対策をしっかりする、防災グッズを揃える、避難訓練をするなどは、自分がコントロールできる事になります。
子供が大学受験に受かるかどうかはコントロールできませんが、せめて子供が勉強に集中できるような環境を整えてあげる、風邪を引かないように栄養たっぷりの食事を用意してあげることは、自分がコントロールできる事です。
混迷感が深まったら
- 自分がコントロールできない事
- 自分がコントロールできる事
- 自分がセミ・コントロールできる事
に区別して、自分がコントロール、あるいはセミ・コントロールできる事に集中していきましょう。自分がコントロールできる事をアクションに移していくと、混迷感は消えていきます。行動を起こしていくと、頭の中でもやもや考えていることがスッキリしていくものです。