オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

12のネガティブ感情への対処法⑧ 自責の念にはサードパーソン視点で対応

人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。
ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。今回は失敗から生まれる「自責の念」です。

仕事や人間関係で失敗すると、「どうしてあんなことをしてしまったのだろう」「なぜあんなことを言ってしまったのだろう」「なぜ、私はあんなこともできないのだろうか」と、自分を責め続けてしまう場合があります。そして、自分はなんてだめな人間なのだろうと自己否定に陥ります。
失敗とそれに伴う自責の念が頭の中で繰り返されて、気持ちが暗くなってしまいます。

そういう場合はサードパーソン視点で対応しましょう。
サードパーソン、つまり第三者ということで、自分に対し友人に接するように対応します。
失敗をした友人を励ます時、「本当にあなたは大きな失敗をしたよね、だめな人間だよね」とは言いませんよね?「失敗はしたけれど、まだ挽回のチャンスはあるよ」「失敗くらい誰でもするよ」と励ますのではないでしょうか?
失敗した友人に話しかけるように、自分に話しかけましょう。
効果的なのは自分の名前を呼んで、自分に話しかけることです。

例えば重要なミーティングに遅刻してしまい、上司から叱責されたとします。
遅刻するなんてなんてばかなことをしたのだろう?上司はもう自分のことを見捨てたと思う、無責任な人間だと思われただろう、自分は社会人として失格だ・・・と、延々と自分を責め続けているとしましょう。

もしこの失敗をした人が自分の友人だったら、どうでしょう?

「遅刻するなんてばかなことをしたよね。無責任だよね。上司ももうあなたを見捨てたよね」とは言いませんよね?

それより

  • 「遅刻することは誰にだって起こりうるよ。次から絶対遅刻しないようにすればいいよ」
  • 「1回の遅刻で社会人として失格なんて考え過ぎだよ」
  • 「もう起こってしまったことをくよくよしても仕方ないよ。それより、もう絶対遅刻しないように対策を打ったほうがいいのではない?」
  • 「上司が叱るのは当たり前だよ。でも、別に1回の遅刻で見捨てたって上司が言っているわけではないでしょう?」

こんな風に友人を励ますでしょう。
失敗をして自責の念に駆られている時は、この失敗をしたのが友人だったらどう対応するかを考えてみましょう。

そして自分に話しかけるときに自分の名前を呼んで、話しかけてみましょう。(実際に声に出して話してもいいですし、心の中で語ってもよいのです)。名前を呼んで話しかけると、サードパーソンとしての視点がより強まります

  • 「まり、遅刻するなんてとんでもないよ。でも、もう二度と遅刻しないために、目覚まし時計を2つかけるようにしなさいよ」
  • 「まり、いつまでも落ち込んでいても時間は戻らないよ。次からは10分前に現地に着くようにしよう」

そんな風に自分にサードパーソンとして話しかけましょう。

失敗したのは自分が悪いとしても、もう起こってしまった失敗をいつまでも悔やんでいても、いくら自分を責めても、何も改善しません。
それよりも、その失敗を繰り返さないようにするためにどうすべきか、その失敗から得た教訓はあるかを考えましょう。そのために、サードパーソン的な視点が重要なのです。

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