オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

12のネガティブ感情への対処法⑪ 先送り癖にはスモールステップ

人間、様々なネガティブな感情を抱くものです。人間の脳は将来のリスクを察知し、予想して対処するようにできていますから、ネガティブな情報を集めやすいのです。人間が生物として生きていくためには役立つ機能ですが、ネガティブな感情を抱きすぎるのも私たちの生活に悪影響です。
ポジティブ心理学の観点から、代表的なネガティブ感情12種類に対処する方法を身に着けておきましょう。今回は「先送り癖」です。

〇〇しなければいけないとわかってはいるけれど、ついつい先送りして取り掛かれない。
延ばし延ばしにするほど、取り掛かれなくなる。
先送りばかりしている自分が嫌になる。

このような先送り癖は英語でprocrastication(プロクラスティネーション)といい、専門の研究者もいるほど、多くの人々が抱える癖です。
対処しなければいけない事を先送りしていると、その事が解決しないという物理的な問題に加え、ずっとその事を気にしてリラックスできない、先送りする自分に嫌気が指す、という心理的な問題を引き起こします。

先送り癖への対応には「圧迫感」で紹介した「スモール・ステップ」が最も有効でしょう。
〇〇しなければならない事を、小さなステップに分解し、その小さなステップを一個一個片づけていくのです。この時できるだけ小さなステップに分解すことがポイントです。

例えば、顧客とのミーティング・メモを書いて、部長に提出することになっているけれど、なかなか取り掛からず締め切りが迫っているとします。ミーティング・メモを書く作業をスモール・ステップに分解すると以下のようになるでしょう。

  1. ミーティング・メモのフォーマットを作る。
  2. ミーティング中にとったノートを読み返す。
  3. メモに入れるべき重要なポイントをアンダーラインする。
  4. ミーティング・メモに日時、出席者の名前を入れる。
  5. ミーティング出席者A氏の発言をメモにまとめる。
  6. ミーティング出席者B氏の発言をメモにまとめる。
  7. 自分の発言をメモにまとめる。
  8. ミーティングの結論を書く。
  9. ネクスト・アクションを書く。
  10. メモを読み返して誤字脱字がないか確認する。
  11. 部長に提出するためのメールの文章を書く。
  12. メモを部長にメールで送る。

一個づつ、順番に作業に取り掛かります。
一個だけの作業なら、楽な気持ちで取り掛かれます。

特に先送り癖のある人は、最初の一歩が踏み出しにくい傾向があります。
最初のステップは、なるべく短時間でできてハードルが低い作業にしましょう。
ミーティング・メモのフォーマットを作ることなら、それほど面倒くさくならない作業でしょう。
一個づつ、着実にタスクを終わらせていけば、必ず作業は終わります。
一個づつと思っても、作業しているうちに次の作業も終わらせようという気持ちが湧いてくることもあります。
こうなれば、あなたはもう先送り癖から脱け出せたということになります。

また、「ミーティング・メモを書く」など何回も繰り返す作業については、分解したスモール・ステップの記録を残しておくとよいでしょう。次にまたミーティング・メモを書くのが億劫になり、先送り癖が出そうになったら、以前に作ったスモール・ステップを見返せばよいのです。
いっぱんに全部終わらせなくてもいい、一個づつスモール・ステップを終わらせていけば、確実に作業は終わる。
それを繰り返していくうちに先送り癖は薄れてくると思います。

 

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