オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ストレスマネジメント

ストレスをリセットする方法③ 反芻思考を止める方法その2

ストレスの代表といえば、反芻思考です。ルミネ―ション(rumination)といって、同じことを繰り返しずっと考えることです。
何も解決するわけでもないのに、同じ悩みを繰り返し考え、更にストレスを募らせていく反芻思考は、あなたに何のメリットももたらしません。前回に続き、反芻思考をストップする方法を紹介していきましょう。

WHYではなくHOWに切り替える

悩みなどのネガティブな考えを繰り返していたら、WHY(なぜ)と考え続けるのではなく、HOW(どうやって)を考えるようにしましょう。

例えば好きだった人にふられてしまったとします。
「なぜ、私は嫌われたのだろう?」
「なぜ、私は誰にも好かれないのだろう?」
「なぜ、私はもてないのだろう?」
「なぜ、私はもっと美しく生まれなかったのだろう?」
いろいろなWHYが浮かんできて、考え続けているうちに、「もう私には恋人はできない」「私は一生結婚できないだろう」などと、極端な考えに至るかもしれません。

いくら「WHY」と問いかけても、答えは返ってきません。そのような事態は、誰の人生の中でも起こりうるのです。

「WHY」と繰り返すのではなく、「HOW」に考えを切り替えましょう。

「ふられて悲しいけれど、どうやったらこの落ち込みから回復できるかな?」
「二度とこういう悲しい思いをしないために、私にできることはあるかな?」
「悲しい過去の思い出を整理するために、写真やメールをどう処理すればいいかな」

のように「HOW」(どうしたら?)の思考に切り替えましょう。
WHYはあなたの気持ちにとって、どの出口にも通じていません。
しかし、HOWはあなたの気持ちを処理するための行動に繋がっています。

自分がコントロールできることを行動に移す

自分にどうにもできないこと、未来に起こるかどうかわからないことを悩んでいても仕方がありません。自分にどうにかできること、つまり、自分がコントロールできることを考えて実行しましょう。

例えば、自分の健康が心配だとします。深刻な病気かもしれないと、ずっと心配しているとします。
しかしあなたがいくら心配しても、それで健康状態が変わるわけではありません。自分がコントロールできることは何か考えてみましょう。

  • 体調が優れないなら、まず病院で健康診断をしてもらう。
  • 人間ドッグに行く。
  • 血液検査をする。
  • 体調が優れない原因が体重増加にあるなら、運動する。
  • 歩く距離を増やす。

など、自分の健康を心配しなくてよい行動を実行しましょう。
自分がコントロールできることに集中してアクションに移していくことにより、反芻思考は薄らいでいきます。

書き出す

悩みや問題などを反芻思考している時、Expressive Writingといって、自分の反芻思考を文字に書き出してみることも有効です。3-4日間連続して、一日15分以上、その反芻思考について書き出していきましょう。これはパソコンやスマホではなく、必ず自分の手でペンや鉛筆を使って紙に書き出しましょう。「書く」という作業自体が、反芻思考を止める効果があるからです。また、書くことにより、反芻思考と距離を取ることができます。
書き出した事を見返してみると、いかに自分が同じようなことを繰り返し悩んでいるかを実感できます。

反芻思考する時間をスケジューリングする

反芻思考が始まったと思ったら、一端止めて、〇時から〇時まで反芻している悩みについて悩むとスケジュールします。今頭の中で繰り返している悩みを一度棚上げし、今やるべきことに集中します。そして、スケジュールした時間帯にその悩みを思いっきり考えることにします。
その時間帯が来たら、反芻思考をさあやってみようと思っても、あまりその気にならないことが多いのです。あるいは反芻思考のためのセットした時間帯を忘れてしまうか、時間がある程度たってみると、それほど悩むことでもなかったと悟る場合もあります。
反芻思考する時間帯をスケジュールすることで、反芻思考と距離を取ることができるのです。

夢中になれることに没入する

反芻思考が始まったら「ストップ!」と言い、自分が夢中になれる好きなことにフォーカスする方法もあります。自分が好きなこと、自分が夢中になれることにエネルギーを費やして、反芻思考とは真逆な体験をするようにします。

  • 大好きなミュージシャンの音楽をイヤフォンで聞く。
  • お菓子作りをする。
  • ドキドキするミステリー小説を読む。

などです。時間を忘れて夢中になるような趣味や活動に、まずは自分の心を向けてみましょう。
反芻思考していた悩みは現実的ではない、妄想だったと思うこともあれば、悩みは悩みだけどそれほど大したことではないと理解するかもしれません。

反芻思考はとにかくその場にとどまって、どうしようもない悩みを繰り返していることが、一番ストレスを増やすことになります。

反芻思考から離れる方法で、一度心理的、物理的に距離を取り、冷静さや客観性を自分に取り戻すようにしましょう。

※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています。

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