オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ストレスマネジメント

ストレス・バッファー① 3つのPに注意

心理学博士のJenny Taitz氏はその著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』(ストレス・リセット:あなたの体と心を数分で穏やかにする方法)の中で、ストレスにすぐ対処するストレス・リセットの方法を紹介していますが、加えて、少し時間をかけて繰り返し練習することでストレス耐性を強めるストレス・バッファーを構築する方法も紹介しています。

ストレス・リセットのように即効性はないかもしれませんが、繰り返すことでストレスに対して強くなる、感じるストレスを少なくする方法です。

ストレス・バッファーの一つ目として紹介したいのは、「3つのP」です。
私達がストレッサー(ストレスを引き起こす原因)に対し、ネガティブな感情を抱き、負の結果しか生まない言動を取ることがよくありますが、その時には多くの場合、間違ったコア・ビリーフ(根付いた信念)が存在します。

―私は何をやってもダメな人間だ
―私はずっと孤独だ
―私は誰にも好かれない

のような、少しオーバーとも思われる、でも私達の心の中に深く根を下ろしているネガティブな信念です。

例えば、
Aさんにメールをしたけれど、返信がこない(ストレスを引き起こす原因)

なぜAさんから返信が来ないのか心配だし、不安だ(ストレス)

Aさんは私が嫌いだ。(自分で勝手に出した結論)→ますますストレスを増幅。

私は誰にも好かれない。(コア・ビリーフ)

Aさんからメールの返信が来ないのは、たまたまAさんが忙しくて返信できないからかもしれませんし、メールを見れない状況にいるからかもしれません。しかし、私達は自分のコア・ビリーフ「私は誰にも好かれない」に基づき、「Aさんは私が嫌いだ。だからメールの返事が来ない」と結論づけて、余計ストレスを大きくしています。

私達は自分の心の奥に根を張っているコア・ビリーフには、普段なかなか気づきません
間違ったコア・ビリーフに、自分が振り回されていないか、ストレスを感じた時には気持ちを一度落ち着けて考えてみましょう。

ポジティブ心理学の第一人者であるマーティン・セリグマン博士は、「3つのP」に注意するように提唱しています。「3つのP」が出てきたら、間違ったコア・ビリーフに振り回されていると警戒すべきだと主張しています。

「3つのP」とは
ーPervasive (全て、蔓延)
ーPermanent (ずっと、永遠に)
ーPersonal (私の、個人的)

です。

日本語でいえば
ーすべて、いつも、どんな場合でも、何でも
ーこれから先もずっと、一生、永遠に
ーすべてが自分のせい、自分だけが

ということになります。

このような言葉が自分のコア・ビリーフに出てきたら、それはほぼすべて間違ったコア・ビリーフだと認識しましょう。それらは、事実ではない、あなたの歪曲された見方です。

ー私はいつも上手くいかない
ー私はずっとダメな人間だ
ーぜんぶ私が悪い
ーすべて私のせいでこうなった
ー私はこれから成功することはない
ー私は永遠に一人だ

などの「3つのP」の要素が入る、極端なコア・ビリーフを自分が持っていることに気づいたら、「それは間違っている」「それは正しくない」「それは正確ではない」と、自分に言い聞かせましょう。

一度ですぐに根深いコア・ビリーフは消えませんが、繰り返して、間違ったコア・ビリーフを消していくことで、ストレスを感じる大きさが小さくなっていきます。

※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています。

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