心理学博士のJenny Taitz氏はその著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』(ストレス・リセット:あなたの体と心を数分で穏やかにする方法)の中で、ストレスにすぐ対処するストレス・リセットの方法を紹介していますが、加えて、少し時間をかけて繰り返し練習することでストレス耐性を強めるストレス・バッファーの構築する方法も紹介しています。
ストレス・バッファーの7つ目として紹介したいのは、「批判の仕方を変える」です。
自分自身や周りの人達に批判的になって辛辣なことを言ってしまう時。
自分はダメだと責めて、「ダメだ」「おしまいだ」「自分はどうしようもない」などと、自分を批判する独り言を言ったり、頭の中で思ったりする時。
あるいは家族などの周りの人に対して、「あなたはどうしようもない」「信用できない」「何をやってもだめね」などと、辛辣な言葉で批判する時。
私達は、自分にも身近な人にも、批判的な目を向けやすく、それを言葉に出すと強すぎる批判になりがちです。
まず、1時間にどれだけ批判的な事を口にしたり、心で思っているか、その頻度をカウントしてみて下さい。意外と多数、批判的なことを言っているのではないかと思います。
辛辣な言葉や乱暴な批判は、自分に向ければ自分自身を傷つけ自己肯定感の低下になりますし、他の人に向ければ関係を壊す、悪化させる、互いに傷つけあうことになりがちです。
でも、自分が誰かから心理的に傷つけられリ、嫌な思いをしたら、黙って我慢している必要はありません。ただ、過剰な批判にならないように、相手に伝えましょう。
そのためには、批判的な口調を言い換えるようにします。自分や相手への批判ではなく、事実を述べ、そしてあなた自身がどう思ったかを伝えます。
例えば、配偶者が約束していた家族のディナーを急に用事が入ったと言って直前でキャンセルした時。
「私はあなたのことなんてもう信用しないわよ!」
と辛辣な言葉で配偶者を批判してしまうかもしれませんが。
そこを、事実と自分が感じたことに言い換えてみましょう。
「〇〇が約束を直前でキャンセルした時(事実)、他のプランを見つけることは難しいし、私はとてもがっかりしたの(自分がどう思ったか)。」
相手へのダイレクトな批判の言葉は入っていませんが、あなたが傷ついたことは相手に十分伝わると思います。そして、相手は「約束を直前でキャンセルした」という事実を認めやすくなります。そうなると、相手はあなたの感情や立場を理解し共感しやすくなります。
相手は言い訳に終始するのではなく、あなたに同情的になります。
あなたはあなたで、相手に自分が傷ついていること、がっかりしていることを理解してもらえたということで、それ以上相手に辛辣な批判をしなくてすむようになります。
きつい言葉で批判したくなった時には、その表し方に注意しましょう。
強い批判の言葉ではなく、まず、事実、そして、あなた自身がどう思ったかを相手に伝えるようにしましょう。
※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています。