いよいよワーク1で書き出した問題リストに真正面から取り組みましょう。
でも、その前に、これまでのワークを実践した後で、もう一度ワーク1で書き出した問題リストを見直してみましょう。
ワーク8や14で、既にリストから消すことのできた問題もあるかもしれません。
問題ばかりに目を向けているとわからなかったけれども、これまでの様々なワークで自分の感情や価値観を見直していくうちに、問題という問題でもなかったという事もあるかもしれません。もしそうならば、問題リストから消しましょう。
そして残った問題リストの中で、まず一つ、取り組む問題をピックアップします。ワーク2でカテゴリーごとに問題を分けましたね。一番たくさんの問題が属しているカテゴリーから、一つ選んで下さい。そして抽象的な問題を選んで下さい。
たくさんの問題点が属しているカテゴリーであっても、具体的な問題点については、対処法はすぐ出てきやすいので、後ほど別のワークで取り組んでいきます。
今回のワークでは、自分にとって真剣な悩みであるけれど、漠然としていて掴みどころがない、どこから手をつけてよいかわからない問題を選びましょう。
例えば、次のような問題がリストに書かれていませんか?
- やりがいのある仕事がみつからない。
- 本当の自分が見えない。
- 将来が不安だ。
- 自分に自信が持てなくて、すぐ自己嫌悪になる。
どれも、私達の多くが抱えている問題であり、もやもやした気持ちの中核を成している事が多いのですが、このような漠然とした問題は、複数の問題が絡み合って構成されている傾向があります。ですから、まず、問題の絡み合った糸を解いていきましょう。それには「マインドマップ」を書くことをお勧めします。
マインドマップの書き方は以下です。
- 静かで落ち着ける場所に一人で座る。
- きれいに片付いた、何も物が置いていない(花瓶やデスクライトはあってもいいですが)机(テーブル)の上に、白い紙(A4)を一枚置く。
- 紙の真ん中に、取り上げた問題を書いて丸で囲む。
- その問題に関係ある事を思いつくままに書いていき、関連のある事を線で繋げていく。
- 書き出していく過程で、解決策や、試してみる事が浮かんできたら、それも書き込み、線でつないでいく。
マインドマップは、一つの問題にフォーカスすることで、その問題を引き起こしている原因や状況を分解し、本当の問題はどこにあるのか、どのような事を解決すれば問題がなくなるのか、自分に問うプロセスです。
頭であれこれ考えているのと違い、実際に自分で書き出してみて、目で蜘蛛の巣のように広がった思考回路を確認する事が大切です。
例えば、「将来が不安だ」という漠然とした問題を取り上げる場合。
「将来が不安だ」という真ん中の円から、次のような事が派生して線で結ばれていくでしょう。
- 今の仕事は続けられるのか?
- 今の仕事以外にお金を稼ぐことができるのか?
- 今の家は賃貸だけど、将来ずっと賃貸というわけにもいかないのでは?
- 結婚できなかったらどうしよう?
- 老後の資金はどうするのか?
- 貯金がない。
- 子供達にお金がかかる。教育費をどうしよう?
など、人によって構成要素は異なると思いますが、多数の問題が関連しあって「将来が不安だ」という漠然とした問題を作っています。
どういう要素が、漠然とした問題を作り上げているのか、まずはマインドマップで書きたいだけ、書けるだけ、文字にしていきましょう。
文字にして、思考を見える化することにより、ただ頭の中で考えているよりも鮮明に問題の本質が見えてきます。
もう書くことがない!というところまで、徹底的に思いや考えを書き出して、関連している事を線でつないでいきましょう。
その過程で、具体的な行動案が出てくればしめたものです。それも書いていきましょう。
例えば「貯金がない」であれば、
- 「今、私の貯金額は正確にいくらだろう?」→「銀行口座を確認しよう」
- 「お給料の手取り額って正確にいくらだろう?」→「給料明細を確認しよう」
- 「毎月の生活費はいくらかかっているのだろう?」→「一ヵ月間家計簿をつけてみようかな」
- 「これからの人生にかかるお金っていくらだろう?」→「金融情報のサイトをチェックしてみよう」
- 「年金はもらえるのかな?いつから?いくら?」→「ねんきん定期便のサイトを見てみよう」
などです。
こうしてみようかな?というアイディアが出てきたら、それも書いていきます。
でも、アイディアが出てこなくても構いません。
まずは、もやもやした問題を分解して、構成要素をはっきりさせることがマインドマップの役割です。
しかし、おそらく、1個や2個は、こうしたらどうかな?というアクションのアイディアが浮かんでくるのではないかと思います。
マインドマップを書いてみると、問題そのものが解決されたわけではないのですが、心が軽くなったと感じるのではないかと思います。
漠然とした問題は、正体がわかりにくいだけに、より大きくて深刻な問題だと感じやすいのです。問題の構成要素が明確になると、問題の正体がクリアーになり、もやもやした気持ちが少し晴れると思います。