オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
年末年始スペシャルプログラム

年末年始スペシャルワーク⑲ WOOPを試してみましょう。

ワーク17,18では、問題リストの中で、漠然とした大きな問題だけれど、実は自分が一番悩んでいる、何回もひっかかってしまうという事を、マインドマップを描くことにより、問題を構成している要素を解きほぐし、関係づけ、具体的に解決に向けて取れる行動がないか考えてみました。

しかし、マインドマップを描いてもなかなか解決策や具体的なアイディアが思い浮かばない場合もあります。

そこで、問題を解決するための異なる方法も試してみましょう。それがWOOPです。

WOOPとは、Gabriele Oettingenさんが著書「Rethinking Positive Thinking」の中で提唱した方法です。(この本は日本でも出版されています。「成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則」ガブリエル・エッティンゲン著 講談社)

  1. think about your Wish
  2. the best Outcome
  3. potential Obstacles
  4. if/then Plan

から大文字部分をとってWOOP(ウープ)です。

この1~4の順番を守る事が大切です。

第一に、Wish、自分の願望、こうしたい、こうなりたいという理想や希望を考えます。

第二に、Outcome、自分の理想や希望が叶えばどのような結果が生まれるか、自分はどのように変わるのか、どのように素晴らしくなるのか、ベストの結果を想像します。

第三に、Obstacle、その願望を叶えるために、ベストな結果を生み出すために、障害となっている事を考えます。

第四にPlan、その障害を取り除いて、願望を達成するために、イフ/ゼン計画を建てます。「もし~なら、~する」という条件反射的行動ルールを定めるのです。

例えば、「英語でコミュニケーションできるようになりたい」という願望があるとします。これが第一のWish。

第二に、英語でコミュニケーションできるようになれば自分はどうなるかを想像してみます。英語が話せれば、出世のチャンスがある、海外出張のチャンスがある。あるいは外国人の上司に堂々と意見が言えるようになる。英語でプレゼンテーションができるようになり活躍の場が増える。SNSも英語でできて世界中の人達と交流できる。このような素晴らしい状況が生まれる可能性があります。これがOutcome。

第三に、障害となっている事は何か考えてみます。英語を勉強する時間がない。英語の読み書きはできるけれど話す機会がないからコミュニケーションできない。文法がわからない。このような点が障害になっているとしましょう。これがObstacleです。

第四に、その障害に対して、イフ/ゼンでPlan、プランニングします。

  • 英語の勉強をする時間がない。→通勤の電車に乗ったら、ラジオ英会話のストリーミングを聞く。
  • 話す機会がないから上達しない。→土曜日の10時になったら、オンライン英会話レッスンを一コマ受ける。
  • 文法がわからない。→英文法の教科書を買ってきて、朝7時になったら1ページ勉強する。

日時やイベントをトリガーにして、「~になったら、~する」という行動のルールを固めてしまうのです。

食事をしたら歯を磨く。これは私達が既に身に着けているイフ/ゼン・プランニングです。歯磨きくらい自然な行動規定になるまで、イフ/ゼンを繰り返していきます。

第二のOutcome、ベストな結果を想像して、その状況に到達するための障害を取り除くよう考えていくプロセスが大切です。

問題ばかりに意識を集中させず、なぜ、自分はそれを達成したいのか、その問題を乗り越えたいのかを、自分とよく相談することです。自分自身のモチベーションを確認しながら、問題と向き合うことが大切なわけです。

私はイエール大学のオープン講座でWell-beingのコースを学習している時にガブリエルさんのWOOPの講演を聞きましたが、彼女のWOOPにかける情熱、WOOPの有効性を多くの人に訴えたいという彼女の熱意に胸を打たれました。

ガブリエルさんが主張するように、WOOPは、問題から始めるのではなく、自分がどうなりたいのかという理想像、願望からスタートする新しいソリューション・プロセスだと思います。ガブリエルさんは、このWOOPは5分でいいから、毎日同じ時間、同じ場所で行ったほうがいいと主張しています。日々の忙しさの中から自分自身をちょっと離して、WOOPの時間を取ることで、問題を解決へ導きやすくなると言っています。

ワーク1でリストアップした問題の中で、WOOPでアプローチできそうな事があれば実行してみましょう。

漠然とした問題よりも、具体的な問題の方がWOOPは適していると思います。

上に挙げた「英語でコミュニケーションを取れるようになりたい」という問題のように、こうなりたいという方向や目的がはっきりしている事の方が、WOOPで解決しやすいと思います。

 

 

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