ポジティブ心理学の第一人者、マーティン・セリグマン氏は、調査の結果、ウェル・ビーイング、つまり人が幸せだと感じられる状態にいるための要素を５つ定めています。それがPERMAです。「新年のワーク①」でPERMAによって自分の幸せ度を計測する方法を紹介しました。幸せだと思う状態は人それぞれ異なりますが、セリグマン氏を始めとしてポジティブ心理学の研究者達が多数の調査結果から、PERMAの要素を人生の中に持つことによって、前向きな気持ちや人生に対する満足感が得られる、つまり、幸せな状態にいられることをデータ的に立証しています。
PERMAの５つの要素以外にも、人間を幸せをする要素は挙げられていますが（H：Health健康、N：Negative emotionネガティブな感情、L：Loneliness寂しさ、F：Freedom自由等）まずはPERMAの５つの要素を、自分の人生に含んでいくよう努めてみましょう。
「幸せになりたい！」「前向きになりたい！」と思っても、漠然とし過ぎていて、具体的にどのようにしたらよいのか迷う場合もあるでしょう。そのような時に、まずはPERMAの5要素を自分の人生に入れ込むようにしてみましょう。
これからPERMAの５要素を一つずつ、じっくり説明していきたいと思います。そしてPERMAを人生に定着させるための具体的な行動について紹介していきたいと思います。
PERMA
P： Positive emotion（ポジティブな感情）
E： Engagement（熱中）
R： Relationship（人間関係）
M： Meaning（人生の意義）
A： Achievement（達成感）
まずは、第一の要素、Ｐ、「ポジティブな感情」を見ていきましょう。ポジティブな感情があれば、前向きにいられますし、幸せを感じやすいですよね。
ポジティブな感情を持つキーポイントは
- 過去を感謝で振り返れること
- 未来を楽観的に見ることができること
- 現在を過去の後悔や未来への心配にとらわれず、楽しめること
です。
そうはいっても、過去の悔しい思いを忘れられないし、明日の仕事のことを考えると心配になるし・・・となるかもしれません。
でも、大丈夫。「ポジティブな感情」は練習できるのです。練習によって増やすことが可能です。
「ポジティブな感情」を増やす練習として、以下のアクションがお勧めです。
感謝日記をつける。
一日の終わりに、「今日感謝すること」を３つノートやスケジュール帳、日記等に書きます。感謝は「ポジティブな感情」の中でも最強です。毎日感謝することを３つ見つけるようにします。そして後から見返して、こんなにたくさん感謝する事があったのだ！と過去を感謝で振り返れるように、ノート等に記録することが大切です。
「楽しい事」に思いっきり集中する。
セイバリングという行動です。おいしいケーキを食べる時、お風呂にゆっくりつかる時、大好きな楽器を演奏する時。自分が好きで、楽しいと思う行動をしている時には、その事に１００％集中します。
瞑想する。
瞑想といっても、宗教的要素はありません。静かな場所に座って、目を閉じ、深呼吸をするだけです。マインドフルネスともいいます。自分の頭と心を静かにして、少しの間、無の時間を持ちます。なかなか無になれないという場合には、瞑想用の音楽や、YouTubeの瞑想用動画を聞きながらでも構いません。
美しい自然を見る。
朝日、夕日、月、星空。あるいは花や緑の木々。青い海。雄大で美しい自然を見ます。遠出や外出が難しい場合は、YouTubeで美しい自然の動画を見ることもお勧めです。一人の人間の存在を超えた、雄大で神秘的な自然の風景を眺めてみましょう。
歌う。
自分の好きな歌を歌ってみましょう。音楽をイヤフォンで聞きながら歌う、お風呂で歌うなどがよいでしょう。自分の好きな歌、元気が出る歌を歌ってみましょう。下手でもよいのです。誰に聞かせるわけでもありません（家族が聞いているかもしれませんが）。声を出して歌うこと自体が、前向きなアクションです。
「ポジティブな感情」を増やすことは、他にもいろいろな方法があります。自分がポジティブな気持ちになる行動を見つけていくことも「ポジティブな感情」です。
重要な事は「ネガティブな感情」をなくす、減らす事は、一端脇に置いておくことです。
「ネガティブな感情」がなくなれば「ポジティブな感情」が増えるような気がしますが、人間の感情は引き算足し算ではないので、そう計算通りにはいきません。それに「ネガティブな感情」がゼロになることは、多くの人間にとってありえない状態です。
「ポジティブな感情」が増える行動にフォーカスしましょう。
