人生を通じて自分にキャリアを発展させ続けていく。
そのために、まず、多くの人が経験することが組織に属して働く職業です。いわゆる会社務め、サラリーマン&サラリーウーマン・ライフです。
組織に属して働くとなると、自分の好きな事だけをしているわけにはいきませんし、初めから自分の天職をわかって、その天職につく人はめったにいません。
むしろ、日々やらなければいけない課題に追われる、問題解決に悪戦苦闘ということが多いと思います。
しかし、そんな中でも、キャリアは築けますし、人生に幸福感を感じるために重要な「達成感」や「人生の意義」を感じることは可能です。
組織に属して働くという前提で、職業には3つのカテゴリーがあると考えてみましょう。
Job(仕事)
生活の糧であるお金を得るためにする仕事です。生きていくための手段として、労働を提供し、お金を得ているわけです。自分と仕事は平行線、フラットな関係といえます。
Career(キャリア)
仕事はお金を得る手段ではありますが、それだけではなく、プラスアルファの意味を見つけ出す職業です。達成感を得る、知識欲を満たす、社会的地位を得て喜びを感じるなど、ただお金を得るだけでなく、職業にその他の意味があります。自分という円と、職業という円が、部分的に重なっていて、互いに影響し合っている関係です。
Calling(天職)
たとえお金を得られなくても、その職業をしたいと思えるものです。職業の価値はお金ではなく、その職業を遂行するそのものにあります。自分と職業が一体化していて、同じ一つの円の中になる関係です。
天職という職業についている人の幸福感が最も高いとされていますが、仕事、キャリアの幸福感が低いというわけではありません。
自分にとっての職業が「仕事」でも、本来生活の糧を得るために職業は生まれたのであり、全く問題ありません。生きていくためのお金を得ることができる職業がある。その事自体が既に一つの事を達成しています。世の中には、どんなに望んでも仕事ができない環境や社会に置かれている人達も存在しています。生活して糧を得るための職業を持っていることは、それだけで、自分をほめてよいのです。
ただ、職業に1日8時間も10時間も時間を取られるならば、仕事にプラスアルファの意味を見出すことができれば、職業によって自分の人生に達成感や幸福な気持ちを増やすことができます。そのために、仕事からキャリアへシフトすることはできないでしょうか。仕事から、いきなり天職へのシフトは、多くの人の場合はかなり難しく、仕事→キャリア→天職と、段階を経て移っていく人が多いようです。
ですからまず仕事→キャリアへのシフトの方法を考えてみましょう。
そのために有効な方法は、自分自身の強みを分析してみることです。私達は自分の弱みや欠点にはすぐに気づきますが、強みや評価されるべき点については無視、あるいは過小評価する傾向があります。自分がどのような強みを持っているのか、客観的に分析してみましょう。そのために役に立つのは、ポジティブ心理学において自分の強みを発見するために使っている、VIAという診断ツールです。これを使ってみることをお勧めします。VIAの使い方については、次回説明したいと思います。