ポジティブ・インターベンションとして強く推奨されている行動が、セイバリングです。ポジティブ心理学の多くの研究者がセイバリングの調査をして、その効果を確認しています。中でも、Fred Bryant氏と Joseph Veroff氏の研究が有名で、その著書『Savoring: A new model of positive experience』は、セイバリングの教科書ともいえます。
二人はセイバリングの定義を
ポジティブな感情を感じる場面をじっくりと味わい(Attend)、感謝し(appreciate)増大する(enhance)することとしています。
平たくいえば、嬉しいなあ、誇らしいなあ、素晴らしいなあ、ありがたいなあというポジティブな感情の経験をじっくり、ゆっくり、引き延ばして、たっぷり味わうことです。
セイバリングの時間を持つことで、ポジティブな感情が増えていきます。
セイバリングの具体的な方法を紹介する前に、セイバリングには大きく分けて2つの種類があることを知っておきましょう。
Fred Bryant氏と Joseph Veroff氏は、世界にフォーカスしたセイバリング(world-focus savoring)と、個人にフォーカスしたセイバリング(self-focused savoring)と2種類があるとしています。
世界にフォーカスしたセイバリング
個人の存在を超えたものを対象にした経験です。
感謝(Thanksgiving)、驚嘆(Marveling)が該当します。
個人にフォーカスしたセイバリング
自分自身の経験、感情です。
浸る (Basking)、個人的な喜び(Self-focused pleasure)があてはまります。
この4つのセイバリングを毎日の生活の中に組み込むことで、ポジティブな感情を増幅させることができます。
次回からは、4つそれぞれのセイバリングの方法を紹介していきましょう。
セイバリングについては「年末年始スペシャルワーク⑩」でも紹介していますので、こちらも参考にして下さい。