個人にフォーカスしたセイバリングのもう一つの方法、「個人的な喜び」(Self-focused pleasure)の具体的な方法を紹介しましょう。
自分がこれをしていると楽しい、嬉しいという事がありますか?
一人でそう感じられる事がありますか?
- 丁寧にコーヒーを淹れてじっくり味わう。
- おいしいケーキを焼く。
- 緑の中を歩く。
- ヨガをする。
などなど、自分がこれをしていると楽しい!と思う事に集中して味わってみましょう。
注意点は、セイバリングの時間は、その事にフォーカスすることです。スマホをいじりながらコーヒーを飲むのではなく、コーヒーの香りや味に集中します。テレビをつけながらヨガをするのではなく、ヨガウェアに着替えて、ヨガマットを敷いて、ヨガのポーズに集中します。
セイバリングのポイントは、集中です。
その行為に完全に埋没することが重要です。
何も思いつかないなあという方のために、「個人的な喜びにフォーカスしたセイバリング」の一つの例として、詩を読むことをお勧めします。
詩集を読むなんて、中学生以来だという方も多いかもしれません。
良質な詩集を手元に一冊おいて、静かな空間で読んでみて下さい。声に出して読んでみる事もお勧めです。
詩は言葉が厳選され、研ぎ澄まされています。詩が作り出す言葉の世界に集中してみて下さい。
どんな詩がいいだろう?と迷う方のために、3冊のお勧めの詩集を紹介します。
- 長田弘『世界は美しいと』
- 石垣りん『空をかついで』
- 金子みすゞ『金子みすゞ名詩集』
どうしても詩を読むなんて気恥ずかしいという方には、枕草子を読むことをお勧めします。「春はあけぼの・・・」で始まる、平安時代の名作エッセイです。詩と同じように、言葉が厳選され、雅を感じます。
詩も枕草子も、言葉によってオリジナルな世界が形成されます。その世界に自分を埋没させ、イマジネーションを広げることで、自分を日常から少し乖離させて、心を開放します。
詩を読むにしても、枕草子を読むにしても、一人で静かな落ち着ける空間で、集中して行って下さい。時間をあらかじめ決めておくこともお勧めです。30分だけセイバリングをしようと、時間を区切ることで集中できるようになります。
個人の喜びにフォーカスしたセイバリングの方法をいろいろ試してみて、自分のためのセイバリング・リストを作ってみましょう。