アメリカの心理学者リック・スナイダー博士はHOPE理論(希望理論)の第一人者です。スナイダ―博士はその著『The psychology of Hope: You can get there from here』で、目標を達成するためには、正しい目標設定が重要であると説くと共に、ウィル・パワーWill power(意志の力)とウェイ・パワーWay power (道を探す力)が重要であると提唱しています。
ウィル・パワーWill power
決めた目標に向かって進んでいく力、エネルギーです。モチベーションともいえます。この目標を達成しよう!と思っても、しばらくたつとやる気を失ったり、諦めてしまうことがあります。そんな時にはウィル・パワーが弱くなっているので、強化しましょう。代表的な方法としては2つあります。
- 基本の生活をきちんとする:睡眠、食事、休養、運動など、きちんとした生活を送っているかどうか、確認しましょう。ウィル・パワーは意外と生活態度によって左右されるのです。目標を達成するためのエネルギーを蓄えたいのなら、きちんとした生活を送るようにしましょう。「ネガティブな感情の対処法④ 睡眠、食事、運動。生活の3つの基本を見直す」でも生活の基本の大切さを書いていますので、参考にしてみて下さい。
- 以前の成功体験を思い出す:目標になかなか近づかないと、やっぱり自分には無理だ・・・などと自信を無くしてしまいます。そこで、過去に自分が成し遂げた事、成功した事を思い出しましょう。紙に書き出してみましょう。そしてウィル・パワーを満たし直しましょう。これについては「ポジティブ・インターベンション⑩実践ワーク5 自分が成し遂げてきた事を確認して浸る」でも説明していますので、参考にしてみて下さい。
ネガティブな感情の対処法④ 睡眠、食事、運動。生活の3つの基本を見直しましょう。ネガティブな感情の対処法...
ポジティブ・インターベンション⑩ 実践ワーク5 自分が成し遂げてきた事を確認して浸りましょう。セイバリング...
ウェイ・パワーWay power
目標に向かって進んでいる道を探す力です。1本道で進んでいればよいのですが、たいていの場合、目標達成までの道のりは平坦ではなく、障害が待ち受けています。この道でいいと思って進んでいたら、途中で行き止まりになってしまう・・ということもありえます。目標達成までの道のりは1つだけではないと覚えておきましょう。そして、目標に向かう途中で行き詰まってしまったら、次の2つの事を試してみましょう。
- 小さい目標に分解する
目標に向かう過程で、克服が容易な小さい目標、プロセスに分解してみましょう。先が見えない不安があったとしても、目の前の小さな目標を一個ずつ達成する事にエネルギーを集中しましょう。
これについては「年末年始スペシャルワーク㉙ 大目標を小目標に分解する」でも説明していますので、参考にして下さい。 - アドバイスを求める
行き詰まった時に自分一人で悶々と考えていても、ますます行き詰まってしまう時もあります。先輩や先生、師匠など、自分よりも経験のある人に助言を求めてみましょう。聞くことによって、違う見解に気づいたり、新しい視界が開けることがあります。あるいは関連の書籍を読んでみましょう。
年末年始スペシャルワーク㉙ 大目標を小目標に分解しましょう。年末年始の過ごし方...
自分が本当に望んでいる、自分に適した目標を設定する事がまず重要ですが、その目標に向かっていく道のりでは、ウィル・パワーとウェイ・パワーの2つのパワーが必要で、ただし途中で不足することもあると覚えておきましょう。パワーが不足してきたら補充してあげればよいのです。2つのパワーを使って、目標に向かって進んでいきましょう。
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