ポジティブ心理学の第一人者、バーバラ・フレドリクソン教授はその著『ポジティブな人だけがうまくいく 3:1の法則』の中で、「人はネガティブになると、わざわざネガティブ思考と呼び寄せて反芻状態になる」と書いています。ネガティブな感情を自ら何回もリピートして、ますます自分をネガティブな状態に追い込んでいく傾向が人間はあるのです。
前回紹介したSNS病、FOMO、MOMO、ドゥームスクローリングは、まさにこの「ネガティブ反芻」の症状。自ら、気持ちを暗く恐ろしくさせる情報を求めてSNSやネットの世界に浸かってしまいます。
ネガティブな情報ばかり追って、ネガティブなことばかり考えていると思ったら、自分が「ネガティブ反芻」しているとまず気づきましょう。そして次のようなネガティブ反芻をストップする行動を取ってみましょう。
気持ちを問題から離す行動を取る。運動がお勧め。
ネガティブな根源である問題や情報から、一時的にでも心と体を離しましょう。そのためには運動が一番です。公園を散歩する、近所をとにかく走ってみる、腹筋してみる、腕立て伏せしてみる、エアロバイクを漕ぐ、自転車に乗って河原を走る。とにかく体を動かしてみましょう。
マインドフルな行動をする。
いま、ここに集中する行動を取ってみます。ヨガをする、目を閉じて深呼吸する、瞑想するなど、心を一か所に落ち着ける行動を取ります。
メディア・ダイエットをする
「気分転換:SNS病に注意!」でも紹介したように、FOMO、MOMO,ドゥームスクローリングは現代人が抱えるSNS病です。スマートフォンから離れる、インターネットに夜はアクセスしない、テレビを見る時間を1日1時間にする等、メディアと接する時間を減らしましょう。
ネガティブ反芻を生み出す環境をチェック
ネガティブな感情を繰り返してしまう状況を生み出している環境は何でしょうか?常にスマートフォンを持っている?テレビをつけっぱなしにしている?前から気になっている問題を見て見ぬふりをしている?ネガティブ反芻を引き起こしている元は何なのか、考えてみましょう。そしてその元に対して自分ができる事はないか、考えてみましょう。できる事があるなら、行動に移してみましょう。
「健全な気分転換リスト」を作っておく
ネガティブ反芻に陥る前に、ネガティブ反芻状態から抜け出すために有効な気分転換リストを前もって作っておきましょう。そうすれば、今度ネガティブ反芻状態に陥っても、リストに書いてあることを実行していけばよいのです。ネガティブな感情に対して、耐性がついていきます。
人間はネガティブな感情を持つのが当たり前。でも、ネガティブな感情ばかりを心の中で増幅させたり、ネガティブになる情報を自分から求めていったりすると、ネガティブ反芻に陥ってしまいます。
ネガティブ反芻に対する備えを日頃からしておきましょう。そして、ネガティブ反芻をストップできたら、ポジティブな感情を増やしていく行動、ポジティブ・インターベンションを実行してみましょう。このブログでも、ポジティブ・インターベンションの様々な方法を紹介していますので、参考にしてみて下さい。