ラングイッシュな気分に代表されるように、どうにも憂鬱で、やる気が出ない。気持ちが奮い立たない。悪いことばかり考えてしまう。不安の雲がいつも渦巻いている。
人間だから、そんな時もあります。
ポジティビティを研究しているポジティブ心理学者も例外ではありません。『幸福優位7つの法則』でハピネス・アドバンテージを提唱したショーン・エイカーは、その後うつ病にかかってしまいました。うつ病から抜け出して、更にパワーアップした新作を発表しましたが。
「ラングイッシュ」というネガティブな感情に注目したアダム・グラントも、元々は成功理論の研究者でしたが、コロナ感染拡大下で自分がラングイッシュとしか表現しようがない感情や行動に支配されるようになって、大切にしていた自分のルールも破るようになり自分を追い込んでいったのです。その経験から彼は「ラングイッシュ」といううつ病とは異なる、長引く停滞気分の研究を始めたのでした。
ポジティブ感情を増やす方法をよくわかっているはずのプロ達でさえ、ネガティブ感情に押しつぶされそうになることがあるのです。
どうにも気分が暗く、憂鬱だ(つまりラングイッシュな気分)という時に試す方法を以前紹介しましたが。それらの方法を試すと同時に、セルフケアもしてみて下さい。
セルフケア。自分をいたわり、自分を大切にする行動です。
自分が自分を大切にリスペクトして扱えなければ、他の人がそうしてくれることもないでしょう。セルフケアで、自分は大切な存在だと、自分にメッセージを送りましょう。気分が落ち込んだり、忙しすぎる時は、自分のケアが後回しになってしまい、自暴自棄にさえなってしまう場合があります。
しかし、そういう時こそ、セルフケアの時間を取りましょう。ドラマ1話分やニュースを見ている時間、SNSやネットサーフィンをしている時間。そのような時間を、セルフケアの時間に変換しましょう。
セルフケアの具体的なお勧めは次のようなアクションです。
お風呂にゆっくり入る
体が温まれば、凝りもほぐれます。心身ともにリラックスできます。
体の凝りをほぐす
肩や首、お尻が凝って固まっていると、心にも影響してきます。お風呂上りなどに、首や肩をマッサージしたり、お尻の筋肉伸ばしをしてみましょう。肩こり解消ヨガやお尻伸ばしヨガがお勧めです。
美容に気をつかう
髪のトリートメント、顔の保湿パック、爪ケア、ハンドケア、眉毛を整えるなど、美容の時間を持ちましょう。
フルーツを食べる
ビタミンCを取ることは心身ともによいことです。また、色が鮮やかな物を食べると、元気が出てきます。
温かい手作りの物を食べる
味噌汁やスープ、シチューなど簡単な物でよいので、自分で料理して、温かい汁物を食べましょう。温かい食べ物は、心を柔らかくします。
ゆっくり自分のためだけに好きな飲み物をいれる。
日本茶、中国茶、紅茶、ハーブティー、珈琲。自分が好きな飲み物を、自分のためだけに、丁寧に淹れてゆっくり飲みましょう。温かい飲み物にします。カップも自分のお気に入りの物を使いましょう。あるいはお客様用にしまってあるティーセットを出して、自分のために使いましょう。
瞑想をする
瞑想は最近はマインドフルな行動の代名詞としても使われています。もとは仏教や禅の瞑想から生まれたものですが、宗教色を排除して、心を落ち着け、クリアーにするための行動として、世界中に広がりました。静かな場所に座るか、横になって、目を閉じ、深呼吸を繰り返しましょう。色々な考えや思いが浮かんでくると思いますが、それを良い悪いと判断せず、ただ受け流していきましょう。
自分に「ありがとう」という
誰かが言ってくれれば一番よいのですが(笑)。瞑想をする時間に、自分に向かって「ありがとう」を繰り返しましょう。今日まで生きてこれた事、今日まで様々な事を乗り越えてきた事。自分にありがとうと何度も伝えましょう。