「フロー」と呼ばれる状態に入ることで、ポジティブな感情が増えて、幸福感や充実感が増すことをこれまで説明してきました。フローとは熱中、フォーカス(集中)、モーメンタムを感じる時間。その行為をしている最中はまるで時間の感覚を失ったように、集中して夢中になっています。
フロー状態を日常生活に組みいれるためには、フローになるための時間を確保することがお勧めです。時間ができたらやろうではなく、あらかじめ、フローになる時間をスケジュールの中で確保しておきます。最短でも10分の時間を確保しましょう。10分なら、一日のどこかで時間を確保できると思います。可能なら20分、30分、1時間と時間を延ばしていきましょう。
フローの時間をスケジュール帳に書き込んで、□で囲み、ここはフローの時間にする!と自分で自分に約束します。フローのためのかたまり時間をきちんと確保します。このかたまり時間はタイムボックスとも呼ばれます。時間の箱。自分が自分だけに集中する時間の箱を作っていきましょう。
毎日やることが一杯で、24時間はあっという間。自分のためのフローの時間を確保しておかないと、「今日は疲れてるからやめよう」「家族の世話で忙しいから後回しにしょう」「仕事が忙しくてそんな余裕がない」など、様々な理由でフロー時間を自分から奪ってしまいます。
本当は、忙しくて疲れている時こそ、フローの時間を設けて、自分だけに集中する時間を持ったほうがよいのですが。多忙ですと、なかなかそういう気持ちになれないことも多いでしょう。しかし、一日10分なら、時間は取れると思います。一日10分だけ、自分にフローのタイムボックスを贈りましょう。
フローの時間に何をするのかも、あらかじめ決めておきましょう。
ヨガをする。瞑想する。お茶を点てる。座って深呼吸する。大好きな音楽を聴く。良質の文学を読む。楽器を奏でる。
自分が周囲から離れて、夢中になれる、そのことだけに集中できる時間を持ちましょう。
波立った気持ちを、静かに、平らに戻す時間。それがフローの時間です。