レジリエンスを身につけるためにまず、レジリエンスがある人の特性を見てみましょう。レジリエンスを作り上げている要素を確認してみるのです。「レジリエンスな人になる!」と決意しても、レジリエンスがどのように作り上げられているかがわからないと、レジリエンスは身につきません。
Karen Reivich博士はその著『The Resilience Factor』の中で、レジリエンスな人の特性として以下をあげています。
Self-awareness セルフ・アウェイアネス(自己認識能力)
自分の思考や感情、行動を追跡して、把握することができる能力です。自分の強みと弱みを認識する能力も含まれます。
Self-regulation セルフ・レギュレーション(自己管理能力)
自分で目標を設定したり、目指す方向性に向かって行動したりする能力です。
Mental agility メンタル・アジリティ(心の敏捷性)
物事をいろいろな角度から眺めることができたり、問題を解決しようとする能力です。フレキシブルな心の状態です。知性の豊富さも求められてきます。
Optimism オプティミズム (楽観主義)
レジリエンスのとても大きな要素です。ポジティブな未来を信じることができる能力です。具体的には、何かが起こった時に、自分がコントロールできる事と、コントロールできない事を識別して分けることができる能力であり、困難が起こった時にそれを挑戦として捉えることができる能力でもあります。
Self-efficacy セルフ・エフィカシー(自己肯定感)
これもレジリエンスの要素として特に重要な要素の一つです。自分が自分の状況や環境をコントロールできる、管理できる、変えていくことができると信じられる能力です。
Connection コネクション(関係性)
これもレジリエンスの特に重要な要素の一つです。自分が頼れる、相談できる人がいるかどうかです。また、人に限らず、自分が自然の一部であると感じたり、自分よりも大きな存在に結び付いていると感じることも含みます。信仰を持つこと、スピリチュアリティもここに含まれます。
Positive Institution ポジティブ・インスティテューション(ポジティブな仲間)
家族、職場、コミュニティが、ポジティブな感情を持つ人が多く、活動的で前向きなエネルギーに満たされていることです。
レジリエンスな人達は、上にあげた7つの要素を持っている人達といえます。逆をいえば、これらの7つの要素を身に付ければ、私達もレジリエンスを鍛えていけることになります。
上にあげた要素の中で、特にオプティミズム、楽観主義がレジリエンスで重要な役割を果たしているので、まずはオプティミズムをどうやって身につけていくかを、次回ご紹介しましょう。