困難な状況にいる時、自分がコントロールできる事とできない事を区別する事が重要ですと前回説明しました。
これは簡単にできそうに見えて、実はなかなかできない人が多いのです。私もその一人です。いざ問題や悩みに遭遇すると、その事に心が捕らわれてしまい、冷静に論理的に物事を捉えることができなくなりがちです。だからこそ、自分がコントロールできる事とできない事を区別する練習が必要なのです。
ペンシルバニア大学でレジリエンスを研究する一人であるLucy Hone博士は『Resilient Grieving』で、大きな悲劇からどうやって立ち直るか、レジリエンスを身につけていくかを書いています。彼女は自分の幼い娘を自動車事故で亡くすという悲劇を経験し、そこから立ち直っていく自らの経験を通じてレジリエンスの大切さを説明しています。
彼女はこの本の中で、自分がコントロールできる事とできない事を区別する事がいかに重要かを訴えています。そして日々小さなことでよいから自分が状況を少しよくできる行動を取ることを勧めています。
- 自分にコントロールできる事とできない事を分ける。
- 自分にコントロールできる事の中で、自分が取れる行動を取ってみる。
この2つが、オプティミズムの重要な柱であり、レジリエンスを鍛える源になります。
そこで、この2つを練習する方法として、映画でオプティミズム探しをお勧めします。
映画を見ながら、前回紹介したオプティミズムの3つの考え方や3つのステップが現れている場面を探してみましょう。主人公がコントロールできる事とできない事を分け、自分がコントロールできる範囲で行動を起こしているシーンを探してみましょう。ノートに、オプティミズムが現れているシーンを書き留めながら映画を見てみましょう。
映画のシーンで、オプティミズムを訓練し、自分の人生にも応用していくのです。
オプティミズム探しに向いている映画は、アメリカ映画をお勧めします。イギリス映画、日本映画、フランス映画も素晴らしいのですが、オプティミズムが貫かれている映画はアメリカに多いです。
Karen Reivich教授が勧めているのはウィル・スミス主演の『幸せのちから』です。(ウィル・スミスは最近事件を起こしましたが・・・。映画の内容は素晴らしいものです)
証券会社の社員になるために高卒の主人公が懸命に努力する姿を描いていますが、次々と問題が起こります。もう諦めるしかないという状況でも、主人公は自分ができることを見つけようとしていきます。最後はハッピーエンドですので、安心して下さい。(しかも、このお話は実話に基づいています)
他には、「ポジティブ心理学を学べる映画」で紹介した
- 恋はデジャブ
- プラダを着た悪魔
- ショーシャンクの空に
- 炎のランナー
- フィールド・オブ・ドリームス
が、オプティミズムを見つけやすい映画だと思います。
オプティミズム探しをしながら映画を見ると、見終わった後ポジティブ心理学の講義を1コマ受講したような気分になりますよ。