前回、私達が陥りやすい5つの思考のトラップを紹介しました。この5つのトラップに陥らないようにする、あるいは陥ってもすぐに自分がトラップに入っていると認識できるようにするために、リアルタイム・レジリエンスを使いましょう。
レジリエンスは時間をかけて鍛えていく部分もありますが、思考のトラップに陥った時はすぐにそこから抜け出す方法が必要です。そこですぐにリアルタイムで実行できるレジリエンスを試してみましょう。そして、このリアルタイム・レジリエンスには、定番フレーズがあります。
思考のトラップに自分が陥ったと気づいたら、3つのアクションを実行しましょう。
Evidence 証拠集め
自分が心配している事が事実に基づいていない事を示すデータを示すアクション。
定番フレーズ「それは事実ではない、なぜなら〇〇〇だから」
〇〇〇の部分に具体的なデータを入れます。
心配している事態:乳がんにかかったら助からないのではないか。
定番フレーズ:「それは事実ではない。なぜなら、国立がん研究センターの調査によれば早期発見の場合の生存率は90%以上である」(〇〇〇にいれるデータは信頼できる公的な情報ソースを選びましょう)
Reframe リフレイミング(捉え直し)
事態のよい面やメリットを理解しようとするアクション。オプティミズムが重要な役割を果たします。
定番フレーズ:「もっと建設的な方法は〇〇〇がある」「少なくとも〇〇〇はましだ」
〇〇〇に、事態の前向きな面を入れます。
心配している事態:転職の面接がうまくいかなかったかも。このまま転職できずに今の職場にいなければいけないかもしれない。
定番フレーズ「少なくとも失業したわけではない。転職の面接結果がだめだったとしても、今の職番でもう少し頑張れというサインかもしれない」
Plan 計画
もしも悪い事態が起こったら、こうしようと計画を前もって決めておく。これは特にカタストロファイジングという思考のトラップに効きます。
定番フレーズ「もし△△△が起こったら、私は〇〇〇をする」
△△△に予想する悪い事態を、〇〇〇に対応策を入れます。
心配している事態:職場の上司は私に冷たい気がする。私を異動させようとするかもしれない。
定番フレーズ「もし別の部署に異動になったら、新しい部署でベストを尽くせばいい。そりが合わない上司と離れることもできる」
自分が思考のトラップにはまっていると気づいたらすぐに3つのアクションのどれかを実践してみましょう。そして定番フレーズを声に出して言ってみましょう。3つのアクションにより、思考のトラップを停止して抜け出すことができます。