カタストロファイジングのような思考のトラップに陥らないようにするためにレジリエンスが重要なのですが、このレジリエンスを鍛えていくためには、ポジティブな感情を日頃から増やしておくことが効果的です。このブログでも「ポジティブ・インターベンション」のシリーズでポジティブな感情を増やす方法を紹介してきました。
思考のトラップには、ネガティブな感情が貯まっているとより陥りやすくなります。ネガティブな感情は視野や考え方を狭くしてしまうのです。
対称的にポジティブな感情は、視野や考え方を広げていくので、解決策や違う視点を見つけやすくなります。
ポジティブな感情を増やす方法の代表的なものが「感謝すること」です。
「ポジティブ・インターベンション⑤実践ワーク1 3つの感謝する事を書き記しましょう」でも説明しましたが、一日の終わりに、感謝することを3つノートに書くことを続けると、ポジティブな感情が増えていきます。
感謝する事の効果は、ポジティブ心理学の研究者が数々の実験や調査を行い、実際にその効果を確認しています。
3つの感謝する事を書く事を続けていたグループと、そうでないグループの心理状態や行動を比較すると、明らかに違いが出たのです。
3つの感謝を続けていたグループの方が
- 良質の睡眠を取れる
- うつ的な症状に陥りにくい
- 周囲の人と親密な関係を築きやすい
- 信仰や信念を持っている
- 既に自分が持っている物に感謝するので、物やお金を追いかける傾向が少ない
- 自分だけでなく、周りの事も考えるようになる
のような結果が出ています。
特に、今日は最低、最悪の日だという時こそ、3つの感謝を見つけて書き記しましょう。
今日はよい事は一つもなかった、感謝する事なんてない・・・そう思う時こそ、感謝する対象を探してみます。
- 今生きている事に感謝。
- 衣食住に問題がない事に感謝。
- (たとえ不満や不平はあるとしても)仕事があってお給料をもらえる事に感謝。
- テクノロジーが発展した21世紀に生きている事に感謝。
など、多少無理してでも、感謝する事を3つは探すように努力してみましょう。
感謝は、練習が必要なのです。Gratitude Practice(グラティチュード・プラクティス)といって、感謝する対象を見つけ出す練習をする事が重要なのです。
そしてこの感謝の練習は1週間くらいでは効果が出ません。もっと長い期間続けることによって、ポジティブな感情が増える効果が出てきます。最短でも1ヵ月は続けてみましょう。
ポジティブ心理学の研究者達も、このグラティチュード・プラクティスを続けています。次回は研究者達が実際にどのように感謝する事を続けているか、具体例を紹介していきましょう。
3つの感謝を見つける事は、誰でも、すぐに、お金もかからず、どこでも、できます。その割にポジティブな感情を増やす効果が高い事が実証されています。ポジティブ・インターベンションの様々な方法の中で、一番最初に試して頂きたい方法です。