レジリエンスを身につける有効な方法の一つが、自分の強みを知り、強みを問題解決に使う事です。
自分の弱みや欠点ではなく、強みにフォーカスします。
そのためにはまず、自分の強みが何なのかを見極めましょう。
「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう➂ 自分の強みを知る」で紹介しましたが、
自分の強みを知るためにVIAの診断ツールを使ってみましょう。
VIAはアメリカの研究所で、VIA＝Values in Actionです。VIAの強み診断ツールはVIA -ISと呼ばれていて、これはValues in Action Inventory of Strengthを意味しています。既に世界中の250万人もの人々に使用されて、科学的にその効果が検証されています。
VIA-ISで診断される強みには24種類あります。そのうちの上位5種類の強みがSignature Strength（シグニチャー・ストレングス）＝「自分の強み」となります。
24種類の強みとは以下のような項目です。質問に答えた後、自分が24の項目のうち、トップ5のあなたの強みが何かを診断してくれます。
創造性 好奇心 向学心 柔軟性 大局観 誠実さ 勇敢さ 忍耐力 熱意 親切心 愛情 社会的知能 公平さ リーダーシップ チームワーク 寛容さ 謙虚さ 慎重さ 自律心 審美眼 感謝 希望 ユーモア スピリチュアリティ
VIAの診断ツールの実際の使い方については「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう➂ 自分の強みを知る」の中で説明していますのでご覧下さい。
自分の強みトップ5がわかったら、その強みを意識して使ってみましょう。特に困難な状況に直面した時に使ってみましょう。
「自分は５つの強みがある！だから、それらの強みを使って人生乗り切れるはず！」そう思って、強みをどのように使えば問題解決に繋がるか、考えてみましょう。
お気づきですか？この考え方自体が、オプティミズムです。
自分の強みを活用する事が、オプティミズムを増やし、レジリエンスを鍛えていくのです。
例えば、あなたの強みが、公平さと向学心だとしましょう。そんなあなたが職場の同僚と進めているプロジェクトのことで言い争いになったとします。嫌な雰囲気になり、その同僚との関係もぎくしゃくしています。このままではプロジェクト自体がうまく進まなくなりますし、周囲もあなたと同僚に腫れ物に触るような態度で接しています。
でも、あなたには公平さと向学心という強みがある！この状況を解決するためにこの２つの強みを使えるはず！
あなたなら、どう使いますか？
様々な意見があると思いますが、一つの例を挙げてみましょう。
- 自分は公平さが強みなのだから、自分が同僚に伝えた意見は偏見が入ったものでないはずだ。でも、本当にそうだったかな？もう一度自分の意見に偏りや間違いがないか、検討してみよう。
- 同僚の意見には絶対賛成できない！と思ったけれど、公平さが強みの私だから、同僚の意見が１００％悪いものかどうか、冷静に判断できるはず。同僚の意見は本当にとんでもない意見だったかな？私は感情的になっていなかったかな？
- もし、自分の意見に偏りがあって、同僚の意見にも検討してみた方がいい点があったなら、素直にそれを認めよう。向学心が、私の強みの一つだ。ここで一個学んだことを吸収すればいい。そして同僚にもそれを伝えよう。同僚の意見にも一理あったこと、私はそれで学ぶことができた事を伝えよう。
- 周囲の雰囲気を悪くしてしまったし、プロジェクトのメンバー達がいる場で、同僚に、自分の考え直した意見を伝えよう。そして、同僚の意見から学べた事も伝えよう。これこそ、公平さと向学心を強みとする私にふさわしい行動だ。
自分の失敗、欠点、能力の足りない所に目を向けるのではなく、自分にある強みを活用しよう！と思って物事にアプローチすると、視野が広がりやすくなります。自分の強みに基づいて行動しているという基盤が、あなたに余裕と自信を与えてくれます。
ぜひＶＩＡ診断で自分の強みを確認し、職場やプライベートで自分の強みをどんどん使っていきましょう。
自分の強みを活用すればするほど、レジリエンスは鍛えられていきます。
自分の強みを活かす具体例としては「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう④ 自分の強みを職業に生かす方法を考えてみましょう。」でも紹介していますので、参考にしてみて下さい。
