前回紹介したクリス・ピーターソン博士の説によれば、私達の短所や弱点は人格的欠陥ではなく、強みの反対が出たり、強みが欠けていたり、あるいは強みが出過ぎていることから発生していると考えられます。
ですから、短所や弱点を直すためには、まず、自分の短所や弱点がどの強みの派生物なのかをチェックしてみましょう。
前回紹介した24種類の強みとその派生の表を見て、自分の短所や弱点にあてはまる特性がないか見てみましょう。
例えば、「ひとりよがり」な所があると思えば、それは「向学心」という強みの欠落とみなすことができます。
「自己卑下」する傾向が強いと思えば、それは「謙虚さ」という強みが過度に出過ぎていると考えることができます。
自分の短所や弱点と、24種類の強みがどのような関係にあるのか、確認してみましょう。
強みが過度に出過ぎている場合
もともとその強みを自分が持っているので、その容量を調整すれば、自分の新たな強みにできる可能性があります。
「自己卑下」が自分の短所だとすれば、自分には「謙虚さ」という強みが備わっているのです。ただ、それが強く出過ぎて「自己卑下」に陥りやすくなっていると考えます。ですから、自分には「謙虚さ」という強みがあるのだと認識した上で、それが強く出過ぎないように注意しましょう。「自己卑下」する気持ちになった時に、「謙虚さ」という強みが出過ぎているから、謙虚になりすぎないようにしようと考えるわけです。
強みが欠落している場合
例えば「ひとりよがり」な短所がある場合、「向学心」の欠落とみなすことができます。「向学心」を増やしていく行動を取ってみましょう。「向学心」を増やしていくために、できるアクションを考えてみましょう。
この時に、自分の持っている強みを活用するようにしましょう。例えば、自分が「チームワーク」という強みを持っているとします。「チームワーク」という強みを使って「向学心」という自分が欠けている強みを増やしていく方法を考えてみましょう。勉強のためのグループを立ち上げる、自分が学んだことをシェアするLINEのグループを作るなど、自分の強みに基づいた行動を創り出してみましょう。
強みの対極的な特性がある場合
例えば、自分に「批判的」な傾向がある場合、それは「審美眼」という強みの対極的な特性とみなすことができます。「批判的」という特性はいつも悪い欠点とは限りません。完全に修正する必要もないかもしれません。ただ、「審美眼」という強みを少し身につけることで、「批判的」という特性を少し緩めることができます。
この場合も、自分の強みを活用してみましょう。自分が「忍耐力」という強みを持っているとします。「忍耐力」を使って、「審美眼」という強みを身につけるためにはどうしたらいいでしょうか?例えば、世界美術全集を図書館で借りて、全部読むことはどうでしょう。全30巻くらいありそうですが、「忍耐力」がある自分なら、全巻読むことができるでしょう。
このように、自分の短所や弱点を修正しようとする時には、自分の強みを使ってできる行動を考えてみましょう。ゲーム感覚で取れるアクションを考えてみると、楽しくなりますよ。