自分の強みトップ5をVIAの診断ツールで確認したら、ボトム5も見てみましょう。
「仕事との向き合い方をもう一度考えてみよう➂ 自分の強みを知る」で紹介した自分の強みを知るためにVIAの診断ツールを使うと、VIA-ISで診断される24種類の強みのうち、上位5種類の強みがSignature Strength(シグニチャー・ストレングス)=「自分の強み」として出てきます。
24種類の強みが1位から24位までランキングされていますので、下位5にランキングされた強みは何なのかも見てみましょう。ボトム5にランキングされた項目は、強みが弱い、あるいは欠如しているということで、あなたの弱点、短所になっているかもしれません。
ボトム5にランキングされた強みを見ると、なるほどなあと納得しませんか?
私は「慎重さ」が下位にランクされていて、確かに慎重さが足りない面があります。
下位にランクされた強みをもう少し改善したい、欠如しているなら少し身につけたいと思う時も、自分の強みを活用します。
トップ5にランクされた強みを使って、ボトム5にランクされた強み(つまり、それはあなたにとって弱みになっているということです)を改善する作戦を考えてみましょう。
例えば、私の場合、「慎重さ」が下位にランクされています。一方「創造性」がトップにランクされている強みです。「創造性」を使って「慎重さ」を身につけるためにはどうしたらいいでしょうか?
物事を進める前に、メリットとデメリットを絵に描いて比べてみる方法を取ってみました。
メリットは〇を描いて、〇の横にメリットになる項目を書きます。
デメリットは×を描いて、×の横にデメリットになる項目を書きます。
メリット〇とデメリット×の数を比べてみて、×の数の方が多ければ止めます。
衝動的に物事を進めないで、〇と×を描いて数を比較してみるという、視覚的に把握しやすい方法を取ってみました。
前回でも書きましたが、自分の強みを使って、自分の弱みを改善していく方法は、ゲーム感覚でできます。あなたなりの色々な方法を創り出して、試してみましょう。
ただし、あまりボトム5にランクされた特性を気にしすぎないで下さい。24種類の強みを全部持っている人間は存在しません。
それに、面白い研究結果があります。ポジティブ心理学の研究者達が実験を行い、トップ5の自分の強みにフォーカスしてその強みを伸ばす事に集中したグループと、ボトム5の自分の弱みにフォーカスしてそれらを改善する事に集中したグループの、ポジティブな感情や幸福感がどう変化するかを調査して比較してみました。その結果は、トップ5の自分の強みにフォーカスしたグループの方が、ポジティブな感情を増幅し、幸福感が長続きしたのでした。
ですから、自分の弱点や短所を直そうと懸命になるよりも、自分のトップ5の強みを伸ばそう、生かそうとした方が、ポジティブな感情や行動を増やせるのです。もし、短所や弱点を直そうとするならば、自分の強みを活用する方法を考えてみて下さい。そうすれば、自分の強みを伸ばしながら、自分の弱点も改善できるというダブルの効果が期待できます。