朝こそ自分が満足する過ごし方をして、そのポジティブな効果を一日全体に行き渡らせていくカスケード・エフェクトが大切ですと前回書きましたが。
そうはいっても、朝から物事がうまくいかず、朝から負のカスケード・エフェクトが起こってしまうこともあります。
- 目覚まし時計が壊れていて寝坊してしまった。
- 子供の具合が朝悪くて急遽会社を休まないといけなくなった。
- せっかく健康的な朝食を頑張って作ったのに、配偶者は食欲ないからいらないとさっさと仕事に出かけてしまった。
- いつもより早く家を出たのに、地下鉄の事故で通勤できず、会社の重要な会議に遅れてしまった。
- 新しいワンピースを着て出かけたのに、鳥の糞が空から落ちてきて汚れてしまった(これ、私が実際に経験しました・・・)
朝から、いらいらする、気持ちを暗くする出来事が、自分のせいではなく起こり、怒りが心の中で渦巻き、その日一日中、うまくいかない事ばかりで、最悪の日だった・・・。
こんな負のカスケード・エフェクトを思いっきりかぶってしまう日もあるかもしれません。
最初のきっかけはそれほど最悪ではない出来事でも、次々悪い事がドミノ倒しのように起こっていくと、その日すべてが真っ黒の最悪の日になってしまうことがあります。もしかすると、その次の日も、負の連鎖は続くかもしれません。
自分を幸せにしてくれるカスケード・エフェクトなら大歓迎ですが、自分を不幸にするカスケード・エフェクトは、ストップをかけたいですよね。
「今日は嫌なことばかり起きるなあ。ついてない。いらいらするなあ」
そう思ったら、負のカスケード・エフェクトを断ち切るために、次の行動を取ってみて下さい。
まず、立ち止まる。
1分でいいのです。その場に止まってみましょう。可能ならば、目を閉じます。負の感情の波を一度止めるように、体を静止させます。
深呼吸する。
いらいらしている時は大抵呼吸が浅くなっています。深呼吸を数回繰り返します。状況が許すならば、お腹に手をあてて、デリバレイト・ブリージング、意識的な呼吸をします。
「レジリエンスを身につけるワーク⑪ 意識的な呼吸で思考のトラップから抜け出しましょう」を参考にしてみて下さい。
嫌な事のランクづけをする。
朝から嫌な事ばかり起きる・・・そう思った嫌な事を、インパクトや重要度ごとにランキングします。1~5のレンジで、紙に1~5の数字を書き、その横に、起こった嫌な事がどのランクかを書いていきましょう。
- どうってことない。実は大したことではない。ま、いいか、で済ませることもできる。
- 少し嫌だったけれど、大騒ぎするほどのことでもない。毎日続くことではない。
- 嫌だと思ったけれど、毎日続くことではない。
- 嫌だなあと感じる事が明日以降も続く可能性がある。
- すごく嫌で、気分が落ち込む。
この1~5のランクのどこに嫌な事は当てはまるでしょうか?
実際に紙に書き出してみると、頭と心が冷静になれます。嫌な事しか起きないと思った一日でも、その嫌な事は1や2のランクである事も多いのです。4や5にランクされる事があれば、改善するための具体的なアクションが必要になってきます。「レジリエンスを身につけるワーク⑦ リアルタイム・レジリエンスで思考のトラップを撃退しましょう!」を参考にして下さい。「嫌な事」により思考のトラップに陥っている可能性があるので、リアルタイム・レジリエンスを実行してみましょう。
歩く
状況が許すならば、外を歩いてみましょう。オフィスから出られない状況ならば、廊下に出て少し歩く、あるいは階段を3階分昇り降りすることもいいでしょう。歩くことで、身体に新しい酸素が取り込まれ、嫌な事だけにフォーカスしていた脳がフレッシュになります。
「今から何か変えられるか?」を考え、一つだけ行動してみる
今までは嫌な事ばかりの日でした。このまま「最悪の日だった」で終わらせないために、今から何かできることはないでしょうか?負の連鎖をストップするために、できる行動はないか考えてみて下さい。そして一つだけでいいので行動に移してみて下さい。
- 帰宅途中で花を買って家に飾る。
- 仕事帰りに映画を見に行く。
- 今日の夕食は出来合いのお惣菜でよしとし、サラダだけは新鮮な野菜でたっぷり作る。
- 早寝する。
- 職場の同僚に「ありがとう」とお礼を伝える。
- 退社する時に「お先に失礼します。お疲れ様でした」と思いっきりの笑顔で上司に挨拶する(それがたとえ憎たらしい上司であったとしても)。
- 配偶者が帰ってきたら、笑顔で迎えて、仕事や子供についての愚痴を言わない。
- 食後においしいコーヒーを配偶者の分も淹れてゆっくり飲む。
一つだけ、自分を満たせる、よくやったと自分で思える行動を取ってみましょう。
負のカスケード・エフェクトは、一つのアクションで断ち切ることが可能です。
「何もいい事がなかった一日」で終わらせないように、「大変な一日だったけど、〇〇〇だけはよかった」と思えるような行動を一つ取って、眠りにつきましょう。そうすれば、負のカスケード・エフェクトが夜を超えて翌日まで影響を与えていくということはなくなると思います。