ポジティブ心理学の第一人者であるバーバラ・フレドリクソン教授は、ノースカロライナ大学のポジティブ心理学の講義の中で、ポジティブな感情は量ではなく、頻度が重要だと説明しています。人生で一回ものすごい成功やお金や幸運を手にする事よりも、小さい事でもいいから毎日のようにポジティブな感情、自分が心地よい幸福感に包まれる感情を味わう事が大切なのです。
ですから、毎日のルーティンの中に、ポジティブな感情を感じる場面、環境を入れ込んでみましょう。こうすると自分は心地いい、明るい気分になれる、前向きな気持ちになるという行動を、日々の暮らしの中に織り込んでみましょう。
その時のポイントは2つです。
- 現在の自分が置かれている環境の中で、自分がポジティブな感情を感じることができる場面を第一優先にして時間を割き、集中する。
- 過去自分がポジティブな感情を感じたシチュエーションを思い出し、似たようなシチュエーションを日々の暮らしの中に創り出す。
具体的な例を幾つかあげてみましょう。
- 朝、静かに珈琲を飲む時間にリラックスして気持ちが穏やかになる。
→毎朝の珈琲タイムを一日を始める儀式にしましょう。そして珈琲の種類や珈琲を入れるカップにもこだわってみましょう。 - 仕事でプレゼンテーション用の資料がうまくできて、自分の能力に自信がついた。
→プレゼンテーション資料の作り方をもっと上手になるために、毎日30分だけ資料の作り方を本を見ながら勉強しよう。 - 散歩をすると気分が明るくなった経験がある。
→通勤途中に散歩にちょうどよいコースをみつけて20分歩くことにしましょう。あるいは週末は1時間ほど近所の公園まで散歩することを習慣にしてみましょう。 - 朝、配偶者に笑顔でおはようと言ったら相手からもおはようと返ってきて、気分がよくなった。
→どんな日でも(たとえ前日喧嘩したとしても)朝、配偶者に笑顔で挨拶するようにしよう。
できれば、毎日の暮らしの中に自然に取り込める行動がよいですね。続けられる事が、ポジティブな感情を増やす重要なポイントです。小さな事でよいので、毎日あるいは毎週続けられるポジティブな感情を増やす行動を見つけてみましょう。
「ポジティブ・インターベンション」のシリーズも参考にしてみて下さい。
ポジティブ・インターベンションとは?:赤いマントと緑のマントポジティブ・インターベンション...
ところで、色々な働きかけをして本当に自分のポジティブな感情が増えているのだろうか?ということを検証する事も大事です。「なんとなく気分がよい」という事も大切ですが、ポジティブ心理学は科学的な研究です。検証可能であることが重要です。それでポジティブな感情の度合いを計測するためのツールが開発されています。次回はそのツールについて紹介しましょう。
目からウロコのバーバラ先生の3:1の法則ポジティブ心理学...