バーバラ・フレドリクソン教授のいうLove2.0の愛情は、リアルタイムで人との結びつきを感じる事が大切だと前回説明しました。もう一つ、Love2.0の愛情を培う方法を、フレドリクソン教授は推奨しています。それは瞑想です。
ここでいう瞑想とは特定の宗教や信仰とは関係ないものです。瞑想は静かな時間と場所に目を閉じて、呼吸に意識を向けながら自分の心を静かに、フラットにしていく行為です。
私達の心も脳も、多くの情報や雑音、感情で一杯です。意識しなくても、様々な情報分析や思考を脳も心もしています。それを一時ストップして、静寂な時間を持つ事が瞑想です。
フレドリクソン教授は瞑想の中でも、特にLoving-kindness meditationという「思いやりの瞑想」を推奨しています。瞑想しようとしても、いろいろな雑念が浮かんできてなかなか集中できないという人にもお勧めだと思います。
方法は簡単です。時間は5~10分くらいでできます。
まず、一人になれる静かな場所にいきます。
床に座るか、椅子に座るか、どちらでもよいのですが、正しい姿勢を保てるようにします。
少し胸を上向きにするようにして、猫背にならないようにします。
手の平を上向きにして足の上に置きます。
目を閉じて、呼吸を意識します。
5~10回呼吸をしたら、自分が愛している、大切に思っている存在を心に思い浮かべます。子供、恋人、配偶者、ペット。自分が守りたいと思う存在を思い浮かべます。
そして、その存在に向けて、心の中でつぶやきます。
- あなたが安全でいられますように。
- あなたが幸せでいられますように。
- あなたが健康でいられますように。
- あなたが穏やかでいられますように。
思い浮かべた存在に対して、その存在を温かい光で包む、あるいは黄金に輝くリボンで包むようなイメージで、この願いを心の中でつぶやきます。
次に、自分が守りたい、大切だと思う他の存在を思い浮かべ、同じ願いを繰り返します。
それから、自分が守りたいと思う人達の周り、自分の周りに存在する人々にまで広げて、それらの人達に向けて、同じ願いを繰り返します。
終わったら、ゆっくり目を開けましょう。
この「思いやりの瞑想」は瞑想しながら、周りにいる人々への思いやり、慈悲、愛情を喚起していきます。実際に人と接触する行動ではありませんが、「思いやりの瞑想」によって、ポジティブな感情が増え、人との結びつきが強くなったという調査結果があります。
1日1回、「思いやりの瞑想」を行って、ポジティブな感情を増やして、Love2.0の愛情を培っていきましょう。
※ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソン教授によるポジティブ心理学の講義の内容を参考にしています。