オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
アンガーコントロール

怒りの表明はアイ・ステイトメントで行いましょう。

生きていれば、怒りを大なり小なり感じることがあります。怒りを感じる事そのものは悪い事ではありません。人間として自然な感情です。人は自分の権利や安全が脅かされた時、怒りを感じやすいですが、そのような場合は怒りを感じて行動することで自分の身を守る必要もあります。怒りは原始の時代から人が持っているアラート機能でもあるわけです。

しかし、怒りを他人に対してぶつけた時に、そのぶつけ方によって、相手にも怒りを引き起こし、怒りが二人の間で増幅すると、小さかった怒りが燃え広がって大きくなり、二人の人格や感情、関係性を大きく傷つける事態になりかねません。
職場で怒りを同僚や部下に感じたままに表せば、感情のコントロールができない人、自制心のない人という評価を受けてしまうかもしれません。マネジメント、管理職を目指そうという人にとっては大きなマイナスになります。

怒りを感じる事自体は自然な感情としても、怒りの表し方に注意する必要があります。
アリストテレスの言葉もあります。

「Becoming angry is easy. Becoming angry with the right person, at the right time, in the right way, is hard. 」
(怒ることはたやすい。正しい人に、正しいタイミングで、正しいやり方で怒ることが難しいのだ)

アリストテレスは紀元前384年に生まれていますので、約2400年前から「正しく怒る」事は人間にとって難しい事だったわけです。

そこで、怒りを感じて、その怒りを表現する「正しいやり方」として、試して頂きたい方法があります。
それはI statement(アイ・ステイトメント)(「わたしは」発言)を使うことです。 You statement(ユー・ステイトメント)(「あなたは」発言)をではなくて。

怒りを感じると、私達はついその怒りを引き起こしたと思う相手を攻撃しがちです。その相手は確かに悪い事をしたか、責められるべき事をしたかもしれません。しかし、それが家族、職場、あるいはパートナーとの関係であれば、「あなたが」「あなたが」と責めて怒る事で関係を大きく傷つけたり、取返しのつかないほど壊してしまう恐れもあります。
「あなたが・・・」と発言する前に、「わたしは・・・と感じた」「わたしは・・・と怒っている」「わたしは・・・と傷ついた」と私Iがどう感じたか、どう思ったか、どう考えるかを表明して下さい。
例を挙げてみましょう。

<ケース1>

残業続きで忙しい日々が続き、20時過ぎに帰宅しても夫は夕食の支度もせず、私の顔を見るなり「腹減った。夕飯早く作ってくれよ」と言ったので、怒りがこみ上げた。

  • ユー・ステイトメントの場合:「あなたが自分で作ればいいでしょ!あなたは私が残業続きで疲れているってわからないの!」
  • アイ・ステイトメントの場合:「私は仕事が残業続きで疲れているの。そんな風に言われて私はがっくりきたわ。私の大変さをわかってほしいと思うの」
<ケース2>

職場で部下が資料作成でミスをして、上司から資料の作り直しを命じられた。

  • ユー・ステイトメントの場合:「あなたが資料の見直ししないからこんなことになったのよ!なぜ、ダブルチェックしなかったのよ」
  • アイ・ステイトメント:「私は資料が作り直しになってがっかりしたわ。私はダブルチェックしていればこのページのミスは防げたと思うの」

同じような事を言っているのですが、「わたしは」発言と、「あなたは」発言では、相手の受け止め方が違ってきます。そして、負の感情があなたと相手の間を増幅しながら行きかう「怒りのブーメラン」を防ぎやすくなります。
怒りは言葉によって炎上しやすいので、怒りを表明する時には、せめて「わたしは」発言、アイ・ステイトメントを使ってみましょう。

怒りを感じたら、すぐにアウトプットしないアンガーコントロール...

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