嫌な出来事が起こるたびに「A:Adversity 起きた嫌な出来事」「B: Belief 自分の考え」「C: Consequences 自分の取った言動」を書き出していくと、今まで意識していなかったBが見えてきます。
普段は、「A:嫌な出来事」が起こって、「C:自分の取った言動」を決めているように見えていますが、実はその間に「B:自分の考え」が挟まっているのです。特に奥深いところに信念のように埋まっているディープBともいうべき自分の考えの癖は、ぱっと見ではわからないのですが、ABCを書き出しているうちに見えてきます。B、特にディープBはプリズムみたいなもので、出来事がBのプリズムを通すと、あらぬ方向に曲がったり、方向を変えたりして、Cの自分の言動に繋がっていきます。
B、特にディープBには、多くの場合、その人なりの癖やパターンがあります。出来事の種類は違っても、Bは同じパターンを作る事が多いのです。特に、無意識のように自分の中に深く根付いている考えの基盤(これをディープBと呼んでいるわけですが)は、典型的なパターンがあります。
次にあげるパターンに、自分のディープBがあてはまらないか、チェックしてみましょう。
- ロス・ビリーフ:自分には何かが欠落している、何かを失っているという考え。自分はだめだ、能力ない、自分は環境に恵まれていないなど、自分は何かを失っているという事を基盤にして考えるパターン。
- 将来不安ビリーフ:次に起こる事が不安で悪いことが起きるに違いないと思う考え。一つの出来事がどんどん悪い方に展開し、この先もどんどん不安な事が起きていくことを基盤にした考え。
- 自分は無価値ビリーフ:自分には価値がない、つまらない人間だという考え。自分が常に誰かに比べ劣っていて、自分は無力だという劣等感を基盤にした考え。
- 権利侵害ビリーフ:自分のプライドや能力や領域が侵害されているという考え。自分の権利や大切にしている価値観を尊重してもらっていない、すなわち自分を相手が尊敬していないという怒りや不満を基盤にした考え。
ディープBは人それぞれではありますが、よく見受けられるパターンは、この4つです。
特に「将来不安ビリーフ」と「権利侵害ビリーフ」は、多くの人に頻繁に見られるディープBです。これらのディープBが固定概念として心の底にがっちり存在すると、嫌な出来事をきっかけに、悲しみ、怒り、不安が噴き出し、次に取る言動を支配してしまうことがよくあります。
ABCを書き出してBは何かを書いていくうちに、頻繁に出てくるディープBは何か、4つのパターンに当てはまるものかどうか、どのパターンの登場回数が多いか、チェックしてみましょう。自分の言動を左右しているディープBは何かを探っていきましょう。
次回はこのディープBのパターンを作っている正体を見ていきたいと思います。
頻繁に出てくる自分のディープBは何か、4つのパターンに該当するかどうか、チェックして、「私はいつも将来不安ビリーフに影響されている」などと、気づいた事をノートに書き留めておきましょう。